ミノタウロスの皿、あるいは漫画を読む読書会"未"開催記・前編
すっかり暖かくなりましたね~。
これはつまり、まだ寒かった頃に更新した前回記事からしばらく放置しているということであります。
これは別にさぼっていたんじゃなくて、いつもの洋書の読書会とは別のメンバーで「漫画を読む読書会」をしようともろもろ準備していたからであります。
しようとしていた…とまだるっこしい言い方をしたのは、諸般の事情により開催を延期したからであります。
まだ開催していないのになぜ記事を書くのかというと、このまま放っておけばせっかく読んだ課題図書の内容を忘れるのが容易に予想されるため今のうちにメモを残しておきたいから、であります。
記事にするからには、読んだ漫画だけでなく今回の読書会をどのように準備したかについても記録したいと思います。であります。
1.本の選定
いつもの洋書の読書会では、課題図書は定めず、各自が最近読んだ洋書やネットの記事などを持ち寄って自由に雑談しています。
こういうやり方を採用しているのは、洋書を読むのは時間がかかるため全員が課題図書を期日までに読破してくるのはハードルが高いとの理由からです。
もちろんこれでも楽しいんですが、読書会というと、同じ本を全員があらかじめ読んできて当日はその内容についてじっくり話し合う…というスタイルの方が一般的かもしれません。っていう話は過去のエントリでも何回も書いているんですが(コレとか)
さて、今回やろうとしていたのは漫画を読む読書会です。
漫画なら洋書よりもずっとハードルが低いはず。
これは、普段やらないスタイルの読書会をするチャンスでは?
そう考えて課題図書を選ぶことにしたんですが、いざ選ぶとなるとなかなか難しいもんですね。
まず、簡単に手に入る漫画じゃないといけません。
電子書籍なら選択肢が広がるんですが、みんなが電子書籍に馴染んでるわけでもない。
それに入手自体は容易でも割高だと二の足を踏んじゃいます。
漫画の場合だと長期連載のため何冊も買わなければいけない作品もあるわけですし。
そして、ジャンルとか作風面での絞り込み。
漫画って少年漫画や少女漫画というようにジャンル分けがくっきりしていて、このジャンルは苦手っていう人もいるかもしれない。
あと、あんまりポピュラーすぎるのはみんな敢えて読書会したいとは思わないだろうし(ドラゴンボールとか(いやそれはそれで楽しいか))
かといって趣味に走ってマニアックな選択をしてしまえばどう考えても失敗するし。
そんなふうにいろいろ考えた末、以下の条件で選ぶことにしました。
・有名どころの作家の作品で簡単に手に入り
・でも適度にマイナーでこういう機会がないと読まなそうな
・1巻完結あるいは短編集
これらの条件を満たす本ということで、最終的に藤子F不二雄の異色短編集(小学館漫画文庫)第1巻「ミノタウロスの皿」に決めました。
2.読書会の進め方
ドラえもんをはじめ誰でも読んだことがある藤子F不二雄。
課題図書を絞っておきながらアレですが、この1冊だけで読書会を完結させるのももったいないので、前半と後半の2部に分けて進行したいと考えました。
前半は、この本のどのエピソードが気に入ったかを順番に発言。
後半はこの本に限定せず、人それぞれに思い出があるF作品全般を対象にして雑談。
前半後半それぞれ30分ずつの全体1時間程度を目安に。
こんな具合に提案したところ「いや、藤子不二雄とかあんまり知らん」と言われてしまいました。
え?F作品なんて家庭に数冊はあるもんじゃないの?
小学館コロコロ文庫の「ドラえもん0点・家出編」とか情操教育のため全家庭に常備されてるでしょ!?
中学生くらいになったら「T・Pぼん」で歴史の勉強したよね?!
そう、我が家だけでしたか…
読書会の準備をしていただけなのに、思いがけず我が家の生育環境と世間一般とのズレがあぶり出されてしまいました。
準備のお話だけで長くなっちゃったので漫画の感想は次の記事にて。