洋書を読む読書会

オンラインで読書会をしています

2回目の結果(A Supposedly Fun Thing I’ll Never Do Again, Becoming, how the west can adapt a rising asia, The Happiness Project)

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第2回の概要

日時 日本時間で8/28(金)夜
場所 LINEを使ってオンライン開催
参加者 4名

 

前回の記事に書いたとおり、メンバーはあらかじめ
「①自分が紹介する本・動画の概要」
「②それをきっかけに話したい話題」
を共有しました。

そうすると選書の傾向からアメリカに関する話題が中心になりそうなことが分かってきました。

 

この先の文章を理解しやすくするために、まず参加者4名のプロフィールを紹介しておきます。
・私 前回に引き続き参加。ヨーロッパやアジアに旅行したことはあるがアメリ渡航歴はない。
・Yさん 今回から参加。現在アメリカ在住。
・Aさん 前回に引き続き参加。かつてアメリカの大学に留学していた。
・Oさん 前回に引き続き参加。複数の国に住んだ経験があるがアメリカ在住歴はない。

 

こういうメンバーですし、たまたま(洋書だから当然?)アメリカに関する本が続いたので、YさんとAさんを中心に会は進んでいきました。

それではその詳しい内容をどうぞー。

 

☆☆☆

 

1.私の持参本「A Supposedly Fun Thing I’ll Never Do Again」(写真上)

①本の概要

大作「インフィニット・ジェスト」で有名なアメリカ人作家、デイヴィッド・フォスター・ウォレスによるエッセイ集。

幼少期にジュニアテニスの選手だったウォレスはテニスを扱ったエッセイが多く、日本でも本書や他の本からテニス関係の文章を集めた独自のアンソロジーとして「フェデラーの一瞬」が今年2月に翻訳出版されている。(写真に写っているとおりさっそく買いました)

本書にはテニスのこと(例えば全米ツアーのルポとか)以外にもカリブ海のクルーズ船ツアーとかイリノイ州のステートフェアとかデイヴィッド・リンチの撮影同行記から始まるハリウッド映画論とか、アメリカ人にとって身近な娯楽にまつわるエッセイが主に収められている。(「主に」というのは、それ以外にも現代作家によるエッセイらしく文学評論のような文章もあるからなんですが、それらは私の読解力では歯が立たないので私の中では存在しないことになっています。)

 

②やりとり

私)フェデラーと言えばYさん去年の全米オープン見に行ってたけど、そんな簡単にチケット取れるもんなの?

Y)チケットは意外と取れる
なんなら当日券でも買える
私が見たのはまさにフェデラーが出た試合で、相手はロシアの選手だったと思う(注:たぶんグリゴール・ディミトロフ戦)

 

私)この本を読んでるとアメリカ人とか向こうの人は本当に皮肉というかブラックジョークが好きなんだなと思う
以前に日本語のできるイギリス人を伊勢神宮に案内したことがあったが、日本語でしゃべっているとすごく紳士的なのにときどき英語でぽろっとドギツいことを言っていたことを思い出した。

Y)皮肉が分かるくらいのリスニング力が欲しい
ただ、自分がアメリカ人と話していても、相手にとって自分は外国人なので遠慮されているのか本音も皮肉も言ってもらえないなー、と思うことがある

A)自分はアメリカで大学生活を過ごしていたから、学生同士ではけっこうキツいジョークが飛び交っていた
自分も、日本語では言えないようなジョークでも英語だと言えた
今では日本語オンリーの生活だからそんなのもすっかり言えなくなったけど

 

2.Yさん持参本「Becoming」(写真左下)

①本の概要

オバマ前大統領夫人のミシェル・オバマによる回想録。
日本では「マイ・ストーリー」のタイトルで翻訳されている。 

②やりとり

Y)ハーバードに遊びに行ったときに安くなっていたので買ったが1年くらい放置していた
この読書会を機に読み始めた
読み進めたのはまだ半分くらい
結婚して子供がうまれたところまで

 

Y)なかなか分厚い本で、よくこんなに自分のことを語れるなってびっくりした
いま弁護士事務所で働いているんだけど、こっちの弁護士に一個質問するとすごい量の返事が返ってくる
しかも日本人みたいに箇条書きとかじゃなく切れ目のない塊で
ミシェルももともと弁護士だっただからこれくらい書けるのかなと思った

 

Y)いまBLMが盛んに言われているけど、自分の住んでいる近所でも、警官が催涙ガスをまいて、マスクでガスを防いでいる黒人のマスクを剥がして吸わせようとするという事件があった
そんな国なので黒人は小さい時から警察への接し方を学ぶらしい
(ヒゲはちゃんと剃るとかラッパーみたいな恰好をしないとか)
この本でも、大学の寮でミシェルと同室になった友人の母が、ミシェルが黒人だから部屋を分けてくれと言ってきたというエピソードが紹介されている

A)黒人のほかにアジア人にもヒスパニックにも差別はある
ただ、アジア人は数が少なくて抗議の声も小さい
自分はアメリカ留学時にレストランで働いていたが、表で働くのは白人と黒人、裏で働いているのはアジア人とヒスパニックと明確に分かれていた
白人のウェイトレスはチップですごく稼ぎ、アジア人たちはそれを少しだけ分けてもらうという状況だった

  

3.Oさんの紹介動画「how the west can adapt a rising asia

①動画の概要
ご覧のとおりTEDのプレゼン。
内容をざっくり言うと「アメリカ人から見て中国やインドは脅威であり、それにどうアメリカが適応していくかの提言」

もう少し詳しく説明すると次のような感じ
・歴史的に見てこの200年間は例外的に中国やインドが落ちぶれていたがこれから盛り返してくる、欧米はそれにどう対処するか
・これまで欧米はロジカルシンキングを鍛えて技術革新や社会の仕組みづくりをしてきた
・しかしアジアが台頭してきたいま欧米はそれに学ばず、あたふたするだけ
・ではどうすべきなのか?適応のための具体的な提言は「不干渉」と「国際協調」の2つである

 

②やりとり

O)さっき人種の話が出てきたが、白人から見て違う人種が台頭してきたことで彼らは戸惑っている
これを欧米は排除するのか、それともアジアに学んでいくのか、注目したい

Y)トランプ大統領が出てきたのは、黒人のオバマが8年間も大統領をやっていたのに差別の解消に手を付けられなかったという問題の根の深さを表していると思う
色んな人種が流れ込んできていて、それでもこの国は変われない
ここに来るまではアメリカってすごい国だと思っていたし、ニューヨークって大都会とか思っていたがそうでもなかった
ニューヨークはもちろんすごいけど少し離れると都会というわけでもなく、密集地帯が延々と続いているという意味では東京の方がすごかった

A)日本は格差が拡大しているとか言っているがアメリカと比べるとそこまで深刻でなく、表現するなら「整った国」といった感じ
人種が多様でない分、解決策もまだ出せるのかなと思う

  

4.Aさん持参本「The Happiness Project」(写真右下)

①本の概要、をすっ飛ばしての②やりとり

A)アメリカ時代に買って読もうと思っていたがずっと読めていなかった
今日の読書会のために読もうと思ったが全然集中できない
どうしたら本に集中できる環境を作れるか

Y)読み始めた最初のところからいきなり難しいことが書かれているとつまづく
勢いを付けるって大事

A)電車の中で読めば集中できると思うんだけど、いまは車の生活なので機会がない
家にいると家事とかスマホとかテレビとかで時間がない

私)自分は部屋にテレビが無いので、そのぶん本を読む時間は多いかもしれない
なんて偉そうなことを言ってみたけどスマホの影響はでかい、こいつのせいで集中できない

 

☆☆☆

 

ご覧のとおり、後半はだいぶ駆け足になっています。

オンラインだと会議室の予約終了までという時間制限がないんですね。そのせいでグダグダな進行にならないようにと初めに終了時間を設定していたのですが、それでも時間調整は少し難しかったです。

次回以降もオンラインでやっていくので、徐々に慣れていきたいと思います。